春や、夏や、秋であれば、
どんな真夜中だって長い距離を歩いていられる。
でも真冬はそうは行かない。
はやく家に帰りたくて、
早足になったり、
近道を促したり。
だけど、ときどき遠回りしたくなる。
おしゃべりが面白いとき、
黙っていても心が温かいとき、
なんだかんだで十分身体が温まっているとき。
なんていっても、
やっぱり冬には負けるもの。
結局は早く暖房の効いた部屋に帰りたくて、
早足になる。
早足、二人分。
凍えそうなのに、
金と同じくらい価値があって、
うん、幸せ。