柿紅葉 ひとりで眺める 月もあり

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月は欠ける。
日を置けば置くほどに、
丸いままの完璧なかたちではいない。

花は枯れる。
どれほど世話をしたとしても、
美しいままの姿を留めておけはしない。

世の中に、完璧な姿のままでいるものなんてないのに、
どうしてそれが永遠だと思ってしまうのだろう。
欲してしまうのだろう。

わかってはいても、いえない。
さよなら、なんて。
どうしたって、夢を見てしまう。
それが永遠なのだと。
それが正しいかたちなのだと。

心の隅にどうしようもない疑いを覚えながら、
あるいはむなしい望みを抱ながら、
私は今、あなたの胸に抱かれている。