いくつ目の 夜の明るさ 一薬草

まだ泣けない。
さよならの後の涙。
耐えてるわけでもない。
苦しいわけでもない。
でも、泣けない。

目を逸らさない。
それだけを誓った。
初めてから長い時が過ぎていても、
なかったことにしない。

逃げずにいようなんてのは、
この歳まできて、
それこそ初めて。
でも、
一生に何度もあることではないから。

それでも、全てが落ち着いたら、
最後にかけた言葉が、
「さようなら」
だったことだけは覚えていたい。