常緑の 頬を撫でたる 夜の縁

おやすみ。
あなたはいつもそういってから、
私の瞳を覗きこむようにする。
それからそっと頬を撫でて眠る。

私は小さくうなずいて、
いったんは目を閉じるのだけれど、
あなたの寝息が聞こえ始めてから、
薄く目を開けてその顔をうかがう。

きっと、こどものときと同じ顔してるんでしょう。
あなたは寝てるときがいちばんかわいい。
この顔を見ることができるのは、私だけ。

最初の夜からずっと、
色あせずにそう思ってる。