時々、あなただけを思って過ぎる一日がある。
例えば、あなたとの幸せな夢を見て起きた日。
残り香が濃く後をひいていて、
哀しさのような、こそばゆさのような、
満ち足りた気分で一日を過ごす。
すごく大きな幸せなんていらない。
毎日、少しずつ心満ちる瞬間があってほしい。
素敵なレストランに一年に一度連れて行ってくれるくらいなら、
小さなお土産を頻繁に買ってきてくれる方がいい。
時々の大きなプレゼントなんて、
私を日々省みないことへの償いか謝罪に見えてしまったり。
時々、だから哀しみに溢れている一日がある。
あなたは理由なんて思いつかないでしょうけど、
私も自分でよくわかっていない。
どんなに愛し合ったあとでも、
風が入り込むような薄ら寒い一日がある。
人生の最後になって、
幸せだったといえるのって、
どういう条件が必要なのかしら。
大きなことを成し遂げたこと?
愛する人と一緒にいられたこと?
好きなところにいって、見たいものを見て、
心赴くままに、あちらこちらにさまようこと?
生まれてから死ぬまで、
どの瞬間も平等だといいのに。
どの一日も、同じ価値があると感じられればいいのに。
あなたのことを思って過ごす日。
実際に会えたわけじゃなくても、
思いが強すぎたせいなのか、
予想したよりずっと強く心に残っていたりする。