紅葉燃ゆ 命の末期 そこにあり

人はみな死ぬ。
そのことを、正直今は恐怖に思う。
どんなよい行いを積んで、喜びを得ても、
その先には必ず死が待っている。

人は死ぬ。
そのことが怖くてたまらない。
愛する人々が先に逝くことも、
私自身の命が潰える日が来ることも。

時折、目をつぶって、
耳を手でふさいで、
その後の世界のことを考える。

どんなに恐ろしくても、私は死ぬのだ。
私は、命の最期を、
この紅葉のように美しく彩ることができるだろうか。
いや、それどころか、
命のどこかの瞬間を、
生きたといえるほどに輝かせることができるだろうか。